Runner’s World誌において「最高のトレーニング本」と評価された、ダニエルズ式マラソントレーニング。
トレーニング計画に関する本を何冊も読んできましたが、この本ほど『レベルごとの設定ペース』『インターバルをこなす本数』『それぞれの練習の意味』が明らかにされた本は他にありませんでした!
本書の中では強度を5段階に分類していますが、その中でもI(Interval):インターバルトレーニングについて説明します。
目次
インターバルトレーニング(Iトレーニング)
最大心拍数の97.5~100%程度で実施するランニングです。
(最大心拍数が180の場合、175~180程度)
心拍数は体調や気温によっても大きくずれるので、後ほど説明するVDOTにて計算したほうが良いです。(5kmのレースペースに近い値になるかと思います。)
Iトレーニングの目的
有酸素能力(Vo2MAX)の向上です。
ある身体機能を向上させるにはその機能に負荷をかけることが最も良いため、Iトレーニングでは有酸素能力の限界かそれに極めて近いところに設定する必要があります。
Iトレーニングの練習
完全に休息した状態からVo2MAXに到達するまで90~120秒程かかります。一方で、1本あたりの時間が5分を超えると負荷が強すぎてしまいます。
そこで、本書では3分~5分の疾走を繰り返すのが適正であるとされています。
ここで気をつけることは、Iペースを上回る速さで1本目を走ってもVo2MAXに達している時間は殆ど変わらないということです。逆に、それによって3本目、4本目が設定ペースより遅くなってしまった場合、それらは狙った負荷がかけれなかったということになります。
ダニエルズ式の根本にあるのは『適切な負荷を適切な量かけること』です。
5本走るなら5本目まで狙った負荷をかけれるようにがんばりましょう!
Iトレーニングはどれくらい実施する?
練習1回あたりの走行距離は、10kmか週間走行距離の8%のどちらか短い方です。
- 月間200km、週間45km程度走る人⇨3.6km
- 月間300km、週間70km程度走る人⇨5.6km
多くの人は800m×5本や1km×5本程度になるのではないでしょうか?
月間100kmの場合は1.8kmしか出来ないことになってしまうのですが、初心者で月間100kmの場合はIトレーニングを取り入れる必要はないと思います。
一方、『トライアスロンでバイク・スイムも練習しているのでランは100kmしか確保できない』という場合は、各自のレベルに合わせて適正な量を探っていく必要があるかと思います。
Iトレーニングはどのような人が実施する?
Mランニングがマラソンランナーだけに推奨されていたのに対し、IトレーニングはTランニングと同様に800m~10000mのトラックランナーからハーフマラソン、フルマラソンまで幅広い人に取り入れることが推奨されています。
マラソン対策の場合、レースの数ヶ月前にIトレーニングでVo2MAXを鍛えておき、レースが近づくにつれてMランニング・Tランニングに移行していく形になります。
VDOTからのTランニングペースを計算
VDOTの計算についてはこちらの記事を参照してください。
ダニエルズ式におけるVDOT(ヴイ・ドット)とは? 計算方法は本の表か公式サイトで!いくつか例を挙げると、
- サブ4:4分46秒
- サブ3.5:4分13秒
- サブ3:3分40秒
多少マラソンが得意・短い距離が得意といった差があるかとは思いますが、だいたい5kmのレースペースくらいになるのではないでしょうか?
逆に言うと、普段マラソンをしていて初めて5kmのタイムを測る時は、このペースを目標にして余裕があったらラスト1kmであげると良いかもしれません。
まとめ
Iトレーニングの目的は有酸素能力(Vo2MAX)の向上でした。
また、1本目速く走って3本目、4本目で設定より遅れてしまうのは狙った負荷がかけれなくなってしまうので気をつけましょう。
トレーニングの種類の中で最もキツいのがIトレーニングという人も多いかと思います。
実施する時は気合を入れて、お気に入りのTシャツなどを着てがんばりましょう!
ダニエルズ式マラソントレーニングのまとめ記事です。
【ダニエルズのランニング・フォーミュラ】VDOTで効率的に鍛えるマラソントレーニング!
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