こんにちは、パパサラリーマンのTK(TK@パパサラリーマン)です!
マラソントレーニングの本をAmazonで検索したけど、あまりに多すぎて悩んだ人も多いのではないでしょうか?
- ゆっくり走れば速くなる
- 長い距離を走らなくても速くなる
- 〇〇メソッド
- 〇〇マニュアル
何をすれば速く走れるのか知りたいのに、真逆に見える方法論があったり、いろいろな人の方法があったり。
できれば練習に時間を使いたいので、そんなにたくさんの本を読んでいる時間はないですよね?
そんなあなたに!この本を読めば『練習が組めるようになる』という本の紹介です!
結論から言うと、いろいろな方法は提示されていても結局原点はここからスタートしていると感じました。
- 基礎:リディアード式
- 理論と実戦:ダニエルズ式
これらを抑えておけば、サブ4狙いのランナーから2時間半などの国際ランナーを目指すレベルでも対応できます!
目次
いろいろな方式があるけれど、基本的な原理・原則は変わらない
色んな人がトレーニングの方法の本を書いていますが、基本的な原理・原則は昔から変わりません。
トレーニングの原理
- 過負荷の原理
- 特異性の原理
- 可逆性の原理
簡単に言えば
『今持ってる能力を刺激できる負荷じゃないといけない』
『鍛えたいものに合わせてトレーニングも変えなければならない』
『サボったらもとに戻る』
ということですね。
トレーニングの原則
- 全面性の原則
- 意識性の原則
- 漸進性の原則
- 個別性の原則
- 反復性の原則
簡単に言えば
『バランスよく鍛える、すべての動きを融合して鍛える』
『鍛えている部位を意識して鍛える』
『徐々にきつくして鍛える』
『個人のレベル・特性に合わせて鍛える』
『繰り返し鍛える』
ということですね。
時代の流れとともに、LSD・短時間高強度など、いろいろなブームがありますが、まずはこれら原理・原則に則ったトレーニング計画が必要になります。
金式(すみません正直いってイマイチでした…)
金哲彦のマラソン練習法が分かる本
「これまで、市民ランナー向けのトレーニングメニューについて詳しく書かれた本はなかった」と冒頭で語る通り、毎日どんな練習をすべきかがクリアにわかるはじめての本。ただ距離を走っても、単調でも、オーバーワークもダメ。もっとも効果的で効率的な「100日トレーニングメニュー」を完全収録。
最初に読んだのは金式でした。
あのオリンピック金メダリストで当時の世界記録保持者、高橋尚子選手(Qちゃん)のコーチをしていた金哲彦さんの本です。
私の場合、高校時代に800m・1500mをやっていたこともあって、週末のロングジョグのみでサブ3.5までいきました(職場が遠くて平日は練習時間が取れなかった)。
その後、平日も練習ができる環境になったのでサブスリーを目指すにあたって、効率的な練習方法が知りたくて、『名前も知らない人の本よりは信頼できるんじゃないか…?』と思って買ったのですが…
ほとんどが『ノンフィクション』ストーリー
各レベルごとに章が分かれているのですが、その冒頭にある『ノンフィクション』ストーリーが長い(つまりページ数を奪っている)です。
「OLの〇〇が…」とか「別れた妻が応援に来ていて涙が…」とか、別にそういう物を読みたくてマラソントレーニングの本を買ったわけではないのですが…(^^;
これを省いたら本がかなり薄くなるのではないでしょうか?
トレーニングのペースが曖昧
『上級者は○分○秒、中級者は△分△秒、初心者は□分□秒程度でジョグをしましょう』の様な記載になっており、そもそも上級・中級・初心者の区分が曖昧です。
(恐らく練習メニューの区分から、上級=サブスリー、中級=サブフォー、初心者=完走なのですが、4時間切ったばかりのランナーとサブスリー目標のランナーを一纏めにするのは範囲が広すぎます…)
トレーニングの目的・効果が曖昧
本書の中ではジョグ、LSD、レースペース走、ビルドアップなどがそれぞれ1ページ半程度で紹介されていますが、『それをやって何を鍛えるのか』が明確になっていません。
確かに100日トレーニングスケジュールがサブスリー、サブフォー、完走などに分かれて書かれているのですが、『そのトレーニングによって何を鍛えたいのか』『自分にはどこが不足しているのか』が明確でなければ、自分にあった効果的なメニューへの応用ができません。
100日メニューを実行しようとすると不安になる
肝心の売りにしている100日メニューですが、例えばサブスリーだと大会100日前~42日前まではほぼジョグとLSDのみです。そこから週2回のビルドアップや20~30kmの持久走(キロ4分30秒程度)が入ってきます。
- 『こんなにジョグばかりでいいのか』
- 『いきなりそんなペースで20~30kmも走れるのか』
- 『ペース走やビルドアップが入るのは5週間だけだが、それで本当にサブスリー出来るのか』
そんな不安ばかり出てきます。
コーチと選手の間に信頼関係が重要なように、市民ランナーのコーチである本も信頼関係が重要です。
信じれなければ練習は破綻してしまいます。
以上の点から、この本を読んでみましたが、サブ3.5やサブスリーを目指すランナーには他の本のほうが良いと感じました。
あえてオススメできる人をあげるなら
ジョギングを初めたばかり、マラソンに挑戦しよう、という入門したてのランナーで、ノンフィクションのストーリーを読んでモチベーションを上げよう!という方には向いているかもしれません…。
リディアード式(トレーニングの基礎はこちら)
日本語訳の発刊が1993年、英語版はもっと前という非常に古い本です。
ですが、今でも売れて、今でも読まれています。
金さんの本を読んだ後、Amazonで探したらいろいろな本がありましたが、マラソンブーム・ランニングブームに乗って出された本よりもまずはバイブル的な立場の本で勉強してみようと手にとった本。
これは非常に勉強になりました。
私のおすすめは『まずリディアードで勉強して、ダニエルズ式で深めて、実践する』ことです。
リディアード式とは?
こちらの記事で詳しくまとめています。
リディアード式 マラソントレーニングとは? 持久力を重点強化する練習内容について リディアードのランニング・バイブル 期分けによるトレーニングの長期計画について持久力の養成にかなりの重きを置いているトレーニング法で、マラソンコンディショニングトレーニングという練習をかなりの長期間・かなりのボリュームで実施します。
- 最高安定状態(1分間の最大酸素摂取量とちょうど釣り合う強度)の70~80%程度の強度
- ダラダラしたペースではないが、キツくもない
- 走り終えた後、心地よく疲れているがもう少し速く走れた
- 前半と後半で自然にペースが上がっても落ちてもいけない
- 翻訳者の体験談では、心拍数120~130では低く、140~150程度
このマラソンコンディショニングトレーニングを継続した上で、次のメニューにより仕上げていきます。
- スピード・パワー・柔軟性を付けながらフォームの修正を行うヒルトレーニング
- スピードとパワーを強調させるトラックトレーニング
ダニエルズ式の前に基礎として読んだほうがいいとした理由
ダニエルズ式の本では、各練習の目的やペース、量が具体的に示されています。
その一方で、マラソントレーニングに特化しているため、フォームや食事、怪我の予防、レースでの戦略等の項目はリディアードのみの項目となっています。
よって、まずはリディアード式で基礎を学び、マラソントレーニング部分の深掘りとしてダニエルズ式を加えることがおすすめです。
リディアード式だけではダメなのか?
リディアード式はランニングに関して広く基礎を学べる良書となっています。
その一方で『本来はマラソンコンディショニングトレーニングを週160km走ると持久力が最も効率良くつく』など、 条件が厳しい項目が見られます。
これだけ見ると『そんなに走れないよ…』と思ってしまうところですよね。
そこで週160kmも走れる体力が出来ていない場合、どの程度から初めて、どの程度ずつ増やしていくかなどを自分で考えられるようになるのがダニエルズ式です。
よって、リディアード式→ダニエルズ式で理解しておくことがおすすめです。
ダニエルズ式(実戦のベースにするには一番オススメ!)
各練習の目的、各個人に合わせたペース・量が明確にされています。
さらに量をどの程度ずつ増やしていくのが良いか・ペースはどの程度の期間ごとに上げていくかなどもアドバイスされているので、可能な限り故障を避け、オーバーワークにならずに練習を積み上げていくことが出来ます。
地味なようで、結局これが速くなるための一番の近道ですよね!
詳細はこちらの記事に記載しています。
【ダニエルズのランニング・フォーミュラ】VDOTで効率的に鍛えるマラソントレーニング!ダニエルズ式では、ペースごとに5種類のランニングに分類されています。
- E(Easy)ランニング
→1回の拍動での血流量の増加、毛細血管新生の促進 - M(Marathon)ランニング
→レースペースに慣れる、マラソンペースでの給水に慣れる、自信をつける - T(Threshold)ランニング
→少し速いペースで維持できる時間を伸ばす
30分~60分維持できるペースを速くする - I(Interval)トレーニング
→心肺機能の向上 - R(Repetition)トレーニング
→無酸素性作業能、スピード、ランニングエコノミーの向上
金さんでもリディアードでも、この分類はありました。
異なるのは以下の点。
- 各ペースでの生理的効果・心理的効果が明確
- VDOTという指標を用いて現在の走力から各練習のペースを算出可能
- 週間の練習量から各練習を一回にどの程度までやってよいか明示
→効果を得つつ故障のリスクを減らせる
これらはかなり重要なことで、きちんと理解しておくことでトライアスロンのトレーニングをする時、ランで故障して走れずクロスバイクで補う時などにも応用が効くようになります。
母校の陸上部にも送りたいくらいの良書なので、ぜひ読んでみてほしいです!(というか高校時代の自分に読ませたい。笑)
アドバンスト・マラソントレーニング
アドバンストというその名の通り、更にハードになっています。
内容としてはダニエルズ式と似たようなメニュー・ペースなのですが、上を目指す人向けというだけあって想定は最低でも週88km(月間380km程度)を走ること。
メーニューの一例としては、
- ロング走(26km以上)を週2回+LT走を週2回
- ロング走(26km以上)を週2回+インターバルを週1回+10kmTTを週1回
この様なメニューを平日にも実施しながら継続するには、サラリーマンにはハードルが高いかなと感じます。
何より、本を読んで一番意味がないのはそれをそのまま取り入れることも、自分なりにアレンジして取り入れることも出来ず行動が何も変わらないことです。
さらにスイム・バイクもあるトライアスリートは、こんなにランばかりに体力と時間を割くことが出来ないため、結局量を減らしたトレーニング計画を自分で考える必要が出てきます。
となると、各メニューの目的やペース・量が分かるダニエルズ式で十分、ということになります。
期分けでの組み方がダニエルズ式とは異なる
アドバンストマラソントレーニングは次のようになっています。
①持久力 ②レースペース+LT ③インターバル ④テーパリング
一方、ダニエルズ式は次のようになっています。
①持久力 ②インターバル ③レースペース+LT ④テーパリング
ダニエルズ式では、マラソンレースペースで走る目的は『ペースに慣れること、自信をつけること』となっていました。
ならばあまり早い時期にやってメニューが完遂できなければ、かえって自信をなくしてしまうし、ペースに慣れても後でインターバルをやったら体で覚えた間隔がズレてしまうのでは?とも感じました。
栄養や回復の知識が掘り下げられているの勉強になる
ダニエルズ式で足りなかった部分を上げるとしたらここでしょうか。
ダニエルズ式はマラソントレーニングに特化していて、栄養や休養・回復に関しては細かい記載はありません。
(もっとも、栄養に関しては最新の知識が『スポーツ栄養』としてそれだけで本になっている良書があるので、追加で本を読む時間が取れるならそちらで学んだほうがより深い知識が身につきます。)
最大の問題点
2年前は普通に売ってたのですが、今はAmazonで中古が5,000円からでしか手に入りません…そこまでして読まなくてもダニエルズ式で十分です。
この本が置いてある図書館もあるらしいので、興味がある方は図書館を探してみたほうが良いかも…?
まとめ
以上のように、レベルアップするためのマラソントレーニングを学びたい時、おすすめは『基礎:リディアード式、理論と実戦:ダニエルズ式』を読んで勉強することです。
これらを理解しておけば、個人の特性やレベルに合わせてメニューを組むことが出来るようになるでしょう。
もし一冊しか読む時間がない、本を読むのが苦手で1冊に絞って欲しいといった場合はダニエルズ式をおすすめします!
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