こんにちは、パパサラリーマンのTK(TK@パパサラリーマン)です!
トレーニング管理でTSSを導入している人も増えていますね!
しかしその一方で…
TSSって結局何??
- Training PeaksのアプリやExcelで数値管理をしているだけ
- TSSが多い日は頑張った
- とりあえずCTL高めればいいんでしょ?
- IF?なにそれ??
という方も結構いるのではないでしょうか?
そこで今回はそれぞれの計算の仕方から数値の意味を知ろうという、極めてマニアックなテーマです。笑
意味を知ることで『月間を通して強度高めに出来ているか』などもひと目で分かるようになります。
余裕がある人・理系で数値に強い人は勉強してみましょう!
目次
NP(標準化パワー)の計算方法と意味
NP(標準化パワー)は以下のように求められます。
- データの最初から30秒毎の平均パワーを算出する
- 1で出た数値を4乗する
- 2で出た全数値の平均を出す
- 3出た数字の4乗根を計算する
ヨメ
TK
インターバルのような強度の変化を反映する
例えば、最初の30秒の平均パワーが300w、次の30秒の平均が100wのインターバルをしたとします。
単純に平均を取るともちろん200wです。
でも実際は200wで漕ぎ続けるよりも、インターバルのほうがキツいですよね?
それを反映したのがこのNPで、上記の例の場合253wになります。
つまりこのインターバルは253wで漕ぎ続けるのと同じくらいの負荷が体にかかる、ということですね。
数字に強い人は計算方法を見て分かると思いますが、100の4乗は1億ですが、300の4乗は81億になります。
元々が『1:3』だったのが4乗だと『1:81』になってしまいますね。
もちろんあとで平均を取って4乗根を取るので81倍にはなりませんが、『高い出力はそれだけ体に負荷がかかる』ということを反映してくれます。
つまりレースでも同じことが言える
アタックがかかったりするロードレースでは一定出力とは言えませんが、タイムトライアルやトライアスロンのように単独で走り、かつ平坦な場合は一定出力で走ったほうが体への負荷が少ないということが分かります。
※アップダウンや風がある場合は、登りや向かい風で頑張って、下りや追い風で流した方が同じNPでもタイム短縮できます。
30秒以下のスプリントはあまり正確に拾われない
いきなりちょっとマニアックな注意点ですが…笑
この『30秒ずつ』というのも1つのポイントで、
- 最初の15秒の平均パワーが300w、次の15秒の平均が100wのインターバル
- 30秒ずつのインターバルだが、時計をスタートしてから15秒~45秒の平均パワーが300w、45秒~1分15秒の平均が100wのインターバル
- ずっと200w
これらはどれも200wの一定と変わらない計算結果になります。
(30秒間の平均ですからね、30秒の間の変化に関しては無視されてしまいます)
数分のインターバルしかやらない人はいいですが、30秒のFTP180%などをやる時は、スタートを0秒か30秒に合わせるように意識したほうがより正確に拾われます。
IF(強度係数)の計算方法と意味
NPはトレーニング負荷の指標として優れていますが、『自分に対してどれくらいの負荷がかかっているか』までは分かりません。
そこで、各個人に対してどれくらいの負荷か分かるのがIF(強度係数)になります。
IF = NP ÷ FTP
シンプルにNPとFTPの比率になります。
例)FTPが300wの人がNP 210wで走ると、IFは0.7になる。
この値を見ればFTPに対してどれくらいの強度でトレーニングしていたか分かりますし、Training Peaksでは1ヶ月の平均IFも分かるので、月間で通して強度高めに出来たかも分かります!
強度係数の目安
大体以下のようになります。
参考:パワー・トレーニング・バイブル
IF(強度係数)から見えること
強度係数はFTPとの比率ということは、FTPが『疲労抜きまでして1時間発揮できる最大パワー』を表している以上、1時間以上のトレーニングやレースでIFが1.0を超えることはありえません。
(ときどきSNSの投稿で『5時間のロングライドでIFが1.0を超えている』というのを見かけますが…)
ショートレースで0.95~1.05となっていますが、1.0を超えるには平均40km/h以上で走って1時間以下でバイクを終われる場合のみということだね!
IFが1.0を超えれるのは1時間以下でかなりハードなトレーニングを実施したときとなります。
(もちろんアップやダウンを抜いて、インターバルだけで計算すれば1.0を超えれますが。)
簡単に1を超えている時は、おそらくあなたのFTPはもっと高い値です。
一度図り直してみましょう!
TSS(トレーニング・ストレス・スコア)の計算方法と意味
ここにきてようやくTSS(トレーニング・ストレス・スコア)が計算できます。
TSSは強度(IF)とトレーニング時間(量)の両方を考慮した指標となります。
TSS = { ( T × NP × IF ) ÷ FTP } × 100
- T :時間
- NP :標準化パワー
- IF :強度係数
- FTP:1時間発揮できる最大パワー
公式はこの様になっていますが、早い話が
【トレーニング時間 × IFの2乗 × 100】
です。
低強度長時間と高強度短時間は同じになる
例1)1時間、FTPで(つまりIF=1.0)で運動した場合
→TSS=1×1.0の2乗×100=100
例2)2時間、FTPの70%で(つまりIF=0.7)で運動した場合
→TSS=2×0.7の2乗×100=98
これらの2つの運動は体に掛かる負荷がほぼ同じということが分かるかと思います。
CTL(長期トレーニング負荷)の計算方法と意味
CTL(長期トレーニング負荷)は練習の量と強度の両方を考慮して、長期間に渡ってどの程度のトレーニングをしてきたかを示しています。
CTL=前日のCTL × EXP(-1/42) + TSS × {1-EXP(-1/42)}
ヨメ
TK
ざっくりで言うと、『今までの長期間に渡るTSSの積み上げを指数加重移動平均している』ということになります。
ヨメ
TK
過去1ヶ月分のトレーニングと言っても、1ヶ月前のトレーニングよりも最近のトレーニングのほうが『今の体力』に与える影響が大きいのは想像できるかと思います。
そのように『現在に近いほど影響が大きいけど、過去長期間の積み上げを考慮している』のがCTL(長期トレーニング負荷)です!
ATL(短期トレーニング負荷)の計算方法と意味
短期というだけあって、CTLの短期間バージョンです。
ATL=前日のATL × EXP(-1/7) + TSS × {1-EXP(-1/7)}
こちらも指数加重移動平均を取っていますが、42から7に数字が変わっていますね!
CTLは42日(6週間)を考慮していましたが、こちらは7日分を考慮していることになります。
体力レベルを考える時は42日分を考慮したCTLを用いるのですが、次に出てくる疲労の指標を考える際に、過去1週間でどれだけ負荷をかけているかが重要になってきます。
TSB(トレーニング・ストレス・バランス)の計算方法と意味
これで最後です。。。
TSB(トレーニング・ストレス・バランス)は以下で表されます。
TSB = 前日のCTL – 前日のATL
計算式としては長期的に行った練習と最近の練習の差なのですが、これが表す意味としては疲労の蓄積度合いとなります。
実際にTSSで管理する際には、ATLにはそれほど注目せず、CTL(体力)とTSB(体調)の値に注目している人が多いかと思います。
まとめ
以上、TSSに基づくトレーニング管理に必要となる指標の計算方法や意味についてでした。
計算式自体は複雑で拒否反応が出る人もいそうですが、その意味を知っておけば
- 低強度ではどれくらいの時間をやれば体力(CTL)が上がるか
- 今月は強度を高く保てたか
- FTPの修正が必要か
などが見えてきます。
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