こんにちは、パパサラリーマンのTK(TK@パパサラリーマン)です!
トライアスロンのスイムでは海や川などを泳ぐため、コースロープで仕切られたプールでの競泳とは違い、前の泳者についていく「ドラフティング」が存在します。
ヨメ
TK
そこで今回のテーマは以下の通りです。
- そもそもスイムではどんな抵抗が発生しているのか?
- ドラフティングはどこを泳ぐと抵抗が減る?
「抵抗とかどうでもいい!とにかくドラフティングの位置がサクッと知りたい!」
という方は目次のドラフティングの項目をクリック(タッチ)してください!
スイムで発生する3つの抵抗
スイム発生する抵抗は3種類に分類されます。
- 摩擦抵抗
- 圧力抵抗
- 造波抵抗
基本的には【摩擦抵抗<圧力抵抗<造波抵抗】の大小関係となっています。
摩擦抵抗
体の表面に触れている水は、体と同じ速さで引っ張られ、相対速度が0になります。(この層が境界層)
その一つ外側の水の層は体より遅く、体から離れるほどより遅くなっていきます。
摩擦抵抗が大きいほど、この引っ張る水の量が増え、泳ぐ速さを減衰させます。
摩擦抵抗は泳ぐ速さに比例します。
つまり50mを1分で泳ぐ時と30秒で泳ぐ時では、そのまま2倍の差ですね!
スイムスキン(スイムスーツ)の効果はどれほどか?
泳ぐ速さにもよりますが、摩擦抵抗が抵抗の中で占める割合は10%以下になることもあるとのことです。
スイムスキンがこの摩擦抵抗を軽減するとしたら、10%抵抗を改善すると仮定しても、10%の10%でわずか1%…
TK
ただし、遅い人ほど摩擦抵抗が占める割合は大きくなるので、実は遅い人の方が効果があるかもしれません。
また、トライスーツは『3種目を快適に過ごすもの』ですが、スイムスキンは『スイムを速く泳ぐためのもの』。
適切なサポートでブレを減らしたりすれば、摩擦抵抗以上の恩恵を受けることもできます。
圧力抵抗
圧力抵抗は体の前端と後端の圧力差によって生まれる抵抗です。
ちょっとイメージしにくいですよね…
体の前面、指先のあたりでは通常の水圧ですが、体の前面で圧縮されます。(圧力が高い)
一方、人が通ることによって流れが反転し、様々な渦や低圧域が発生ます。(圧力が低い)
この圧力差によって、水が高圧から低圧側に引っ張られるため、進行方向の逆向きにはたらく抵抗となります。
頭が上がっていたり、腰が落ちていたりする人は、前方に押す水の量が増え後ろ側の圧力との差が大きくなるため、圧力抵抗が大きくなってしまうんですね!
圧力抵抗は速度の2乗に比例します。
つまり50mを1分で泳ぐ時と30秒で泳ぐ時では、4倍の差ですね!
造波抵抗
その名の通り「波を作る抵抗」で、前方の水を押しのけるためにエネルギーを消耗します。
この波が発生する作用は、自分のエネルギーを使う・他人が作った波で減速する、という2つのデメリットが生まれます。
造波抵抗は速度の3乗に比例します。
つまり50mを1分で泳ぐ時と30秒で泳ぐ時では、8倍もの差になります…!
蹴伸びで進む深さはどこが抵抗が小さい?
造波抵抗は水中だと減衰させることができます。
だから競泳の動画を見るとみんな水中でドルフィンキックをしているのですね!
この抵抗も実は深さによって異なります。
水深2.5mを泳ぐ時の抵抗を基準にすると、
- 水深1.5m:約1.8倍
- 水深1.0m:約3.0倍
- 水深0.5m:約4.7倍
- 水面 :約3.7倍
潜った方がいいと言っても、実は水深50cmあたりで抵抗が一番大きくなってしまうんですね!
ここで気をつけないといけないのは、深く潜りすぎると浮き上がるのがロスになるということ。
また、競泳用の深いプールでは1.5m潜る余裕があるかもしれませんが、普通の練習用プールでは水深が1.2mとかの場合もあるのでそこまで潜れないでしょう。
激突しないように気をつけてください。笑
データではスイマーの胸深(だいたい胸骨から脊椎までの長さ)の1.8倍より深くなると造波抵抗をほぼ感じなくなるとのことです。
胸深が50cmなら1.8倍は90cm。
だいたいこの辺りを目安にしてもいいでしょう。
(上記の数値だと水深2mとかの方が抵抗が小さそうですが…体感はできなくなるということかもしれません)
ドラフティングの抵抗削減について
さて、スイムで発生する抵抗がわかったところで、実際にドラフティングをするとどの程度楽になるのかです。
圧力抵抗の話の時に、「体の後ろは圧力が低くなり、そこに水が流れ込む」という話がありました。
なので、前の泳者の後ろ側に流れ込む水に乗れば抵抗が減るわけですね!
自分の前面での水圧が下がっているので、自分の後ろ側との水圧差が小さくなる、つまり自分に働く圧力抵抗が軽減されるという表現もできます。
また、自分の前面と自分の相対速度が小さくなるので、後ろの泳者によって作られる波が小さくなり、造波抵抗も軽減されます。
これにより、実際の実験でも
- 1回のストロークで進む距離が伸びる
- ストロークの頻度も下げれる
- 結果として泳ぎの効率が良くなりエネルギーを節約できる
ということが分かっています。
ドラフティング「される側」も楽になる
後ろにつくとメリットがあるイメージですが、実は前の泳者も楽になります。
後ろにつかれるということは、自分の後ろで圧力が低下している部分に、後ろの泳者が水を押し込むことで圧力が上昇するということも意味します。
圧力抵抗は自分の前面と後ろ側の圧力差により生じていましたから、後ろ側の圧力が上昇するということは圧力抵抗の削減につながります。
真後ろの場合は50cm程度離れて良い
基本的には前の泳者に近づくほど抵抗の削減効果が大きくなります。
- 0.5m:抵抗が約56%になる
- 3.0m:抵抗が約65%になる
- 5.0m:抵抗が約75%になる
- 6.0m:抵抗が約84%になる
もちろん前の人と自分の体格、前の人のスキルによって「前の人の後ろ側の水圧」も変わるので、一つの目安だと思ってください。
TK
ヨメ
TK
近づきすぎると前の泳者のキックによる泡や乱流で前が見にくくなったり、足にぶつかってストロークが妨げられるというデメリットが発生します。
(一応、考え方によっては「ピッタリくっついておけば、前の泳者が急にスピードアップして50cmくらい離れても傾向が増えにくくて対応しやすい」ともとれます。笑)
横の場合は1m後ろ、1m横
こちらもピッタリ横についたほうが良さそうですが、以外にもデータでは横に1m離れたほうが良いとのこと。
でも大会ではたくさんの人がいるからそんなに横幅取れませんし、何よりドラフティング効果は真後ろの3割程度。
やはり積極的に後ろを狙っていきましょう!
まとめ
以上、スイムにおける抵抗とドラフティングの効果でした。
- 基本的には【摩擦抵抗<圧力抵抗<造波抵抗】の大小関係
- 造波抵抗や圧力抵抗は速度が上がると急激に増える
- ドラフティングは前の人も後ろの人も有利
- 後ろにつくときは0.5mあたりを狙って!
- 横の場合は1m離れる、でもなるべく後ろを狙おう
逆に、プールの練習では7m程度開けることで、楽をせずにしっかり自分の力で泳げるということも覚えておきましょう。笑
レースでは積極的にドラフティングを狙い、スイムのタイム短縮をしていきましょう!
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