こんにちは、パパサラリーマンのTK(TK@パパサラリーマン)です!
IRONMAN ニュージーランドで惜しくもエイジ4位となりKONAを逃してしまったので、最近はIRONMANのエイジトップレベルの選手の練習法をいろいろ調べています。笑
息子
TK
ヨメ
TK
今回は2018年のKONAで8時間24分という、エイジ新記録で優勝したDaniel Plews選手の練習記録です。
大学で研究をしながら自身で実践、低糖質な食生活で圧倒的な脂質酸化能力を持っていることでも(一部の界隈で)有名です。
並べてみると、共通点も見えてきますね!
目次
トレーニングデータの期間と平均
【合計トレーニング時間】
合計トレーニング時間引用元:My Training Numbers to 8:24 at Ironman World Champs
データの期間は2018年のIRONMANニュージーランドから3週間後、4月の頭から始まり、10月KONAまでの28週間です。
平均で週あたり21時間のトレーニング
週の平均時間は約21時間、その中でも5月と9月にはトレーニングキャンプを実施しており、週30時間にもおよんでいます。
逆に言えば、ここが平均を押し上げているので、他の週の平均は20時間程度ということですね。
ちなみにニュージーランドの前は週平均19時間程度だったとのこと。
十分な量にも見えますが、さらにレベルを上げるためにボリュームも増やしたんですね…
量だけでなく強度も変化をつける
【トレーニングのTSSとIF】
引用元:My Training Numbers to 8:24 at Ironman World Champs
ちなみにこちらは赤い線がTSS、水色の線がIF(強度係数)です。
全体の流れの特徴としては次のような形。
- ニュージーランドを終えてから最初のキャンプまでは強度が低め、徐々に量を増やす
- 1つ目のキャンプを終えて、一度量を減らすが強度は上げている
- 2つ目のキャンプに向けて、強度を維持しつつ量を徐々に増やす
- 本命レースの5週間前に合宿で最大量、その後は質も量も落としている
- キャンプ以外での高負荷練習はレースの9〜13週前と、結構時間が空いている
計画的な積み上げ
やはり『仕事の都合で練習できる週・できない週がある』なんてことはなく、綺麗に計画立てて積み上げていっているのがわかります。
最近では2〜3習慣練習したらレスト週を挟むという人も多いのですが、Daniel選手はレスト週は特に設けていないようですね。
追い込み時期が早い
気になるのは5番。
私の場合レース前の2週間をレストとし、3〜8週間前で量を増やした追い込み時期としています。
それに対して9〜13週前とはかなり早い時期ですね…
Daniel選手いわく「KONAはとても暑いから、早く練習を終わらせてフレッシュな状態で大会を迎えた方がいい」とのことです。
ニュージーランドで2〜3週間前に追い込んで、疲労が抜けきらなかった感のある私には耳が痛くなるお言葉。。。
TSSの平均は1,000オーバー
ちなみにTSSの週平均は1,027…!
TSS管理をしているならこれをコンスタントに続けることの大変さは分かるかと思います。
Daniel選手いわく「TSS:1000がトップIRONMANへの入り口だけど、もっと重要なのは一貫したトレーニングだよ」とのことです…
スイム編
【スイムの練習量】
引用元:My Training Numbers to 8:24 at Ironman World Champs
週の平均量は18.2km、目標は20kmとしたとのことです。
月あたりだと80kmを超えますね…私は人生で一番多い月でも47kmしかやっていませんでした…
Daniels選手は元々スイマーではないため、一貫して練習量を高い水準に保つ必要があるとのこと。
1週間の中でスイムは5回。
- 持久力 :5km
- しきい値:5km
- 筋力 :5km
- スピード:3km
- 技術/回復:2km
1回の練習ごとにテーマを決めているようです。
練習の前半にスピード系、後半で持久力のインターバルといった練習はしていないようです…(この短い文章だけでは説明できなかっただけかもしれませんが。)
ヨメ
TK
息子
バイク編
【バイクの練習量】
引用元:My Training Numbers to 8:24 at Ironman World Champs
週平均は336km…中でも2回飛び抜けているので、実際には週平均300km程度でしょう。
(それでも月あたり1300km程度をコンスタントに乗っていることになりますが…)
1回目は5月のトレーニングキャンプな上にランが故障していた、2回目は9月のトレーニングキャンプ。
特に5月は週間667km…!
この2つによってバイクがレベルアップしたとのことです。
Daniels選手いわく「これでも量は大して多くありません。仕事や家庭で時間がないので、量より質を重視しています」「全ての練習はターゲットを絞って取り組みました」
…多くない…だと…?
ちなみに練習は全部zwiftとのこと。
ラン編
【ランの練習量】
引用元:My Training Numbers to 8:24 at Ironman World Champs
ランは全体では週あたり51.7km。
月間だと220km程度と、スイム・バイクと比べると意外なほど少ないですね…
しかし見ての通り、5月のキャンプの直前?に故障していて1ヶ月間走っていないので、全体としてはもう少し多めでしょうか。
実際に故障から復帰し、7月23日からレースまでの平均は週あたり73.6km、ピークとなった9月のトレーニングキャンプの週は103km!
当然ながら、こちらも量だけでなく質もしっかりやっているとのこと…
トレーニング強度の分布
最近はpolarizedモデルが話題になっていますが、ピラミッドモデルに近いとのこと。
今回は低強度75.2%、中強度21%、高強度3.8%とのこと。
ちなみにニュージーランドの前は、低強度69%、中強度26%、高強度5%。
量を増やした分、低強度の割合は増えていますね。
ちなみに低強度はLT1以下、高強度はLT2以上、中強度はその間となっています。
低強度がギリギリLT1の下あたりなのか、ジョグレベルなのかが気になるところ。
また、Polarizedモデルは練習の「頻度」で割合を決めることが多いですが、おそらくDaniel選手のデータは練習の「時間」です。
ひょっとしたら頻度でカウントし直したらPolarizedにも当てはまるかもしれません。
低強度が結構ありますが、これも脂質酸化能力の強化に重要です。
Daniel選手いわく「低炭水化物食を維持しながら、必要に応じて炭水化物を投入して行きます」とのことです。
TK
CTLの変動について MAXは162‼️
【CTLの変動】
青い線はニュージーランド前、オレンジの線がKONA前
引用元:My Training Numbers to 8:24 at Ironman World Champs
上記のTSSのグラフからも予想できましたが、
- 5月のトレーニングキャンプに向けて1つ目のピーク
- 9月のトレーニングキャンプで2つ目のピーク
- そこから大会まではなるべく維持
となっています。
ピークは162、レース当日は150とのことです。
(ちなみに私のKONA前のピークは135程度、ニュージーランド前のピークは130程度。かなり差がありますね…)
ピークからレースまでは疲労抜きで練習量を減らすため、ある程度はCTLが下がってしまいます。
どの程度の低下を許容するかも議論になるポイントですが、一説では「大きなレース前は1割程度までなら落ちても良い」と言われています。
その観点でも162から150なら低下は少なめに抑えれていると言えますね。ピークでも142程度だったニュージーランド前と比較して大きくあげたKONA前、その差は結果にも出ていますね!
そしてそのCTLの差に9月のワークキャンプが大きな影響を与えているのも見て取れます。
まとめ(KONAトップレベルの共通点)
3者見てきましたが、共通しているのは「大会前だけでなく、継続的にハイボリュームである」ということです。
(ちなみに参考サイトでは「量はそれほどでもない」と言われていますが。笑)
高橋さんも半年間継続してかなりの量。
西村さんは出産があったため夏から秋は少ないのですが、大会3ヶ月前の12月の時点でかなりの量。
そして今回のDaniel選手も、(自身のニュージーランド前と比較しても)コンスタントにトレーニングを積み上げたとしています。
週ごとに多少のばらつきはあるものの、標準偏差は19%(TSS:196)と言っています。
(7割の週はTSSが1027±196、って解釈で合ってますか?笑)
まぁざっくりで言って、「特別な週は除いてTSS:820〜1220くらいは常にやってるよ」って感じですね。
頑張れば毎週TSS:1000のトレーニングはサラリーマンでも不可能ではありません。
例)
月火:1時間あたりTSS:80〜90の練習を1時間ずつ
水 :1時間あたりTSS:80の練習を2時間
木金:1時間あたりTSS:80〜90の練習を1時間ずつ
土日:3〜4時間程度の練習でTSS:250ずつ
育児がなく、平日に多少練習時間が取れるならなんとかなります。
しかし『平均で1000』ということは、量が多い時期には毎週1200…
これは時間だけでなく体力的にもキツいので、相当トレーニングを積んだアスリートでなければ厳しいでしょう…
これだけの練習を継続するポイントは、以下の通り。
- バランスのとれたトレーニングプログラム(高強度対低強度)
- 慎重なモニタリング(例:HRV)
- 健康的な食事(低糖質、かつ高品質な脂質をたくさんとる)
特に脂質酸化能力を高めることは超耐久型競技のIRONMANには欠かせない、とも言っています。
簡単にまとめられていましたが、1がかなり難しいわけで…
2には回復具合も含まれると考えると、結局『練習(高強度・低強度)、回復、食事をうまくやってね』という結論になってしまうわけです…笑
おまけ
トレーニングするときはTerenzo Bozzoneについて行かないといけない、と言っていますが…
Terenzo選手は2018年のIRONMAN ニュージーランドのプロ優勝選手。
このレベルになるとトッププロのトレーニングパートナーになるんですね…笑
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