こんにちは、パパサラリーマンのTK(TK@パパサラリーマン)です!
最近はTraning Peaksなどを使って(時にはExcel計算で…!)管理をする人も増えてきましたね!
- Garminなどと連携して自動的にワークアウトが登録される手軽さ
- CTL(フィットネス)、ATL(疲労)、TSB(体調)が数値化される
- TSSは量だけでなく質も考慮されている
などのメリットがあり、月間走行距離だけよりも体への負荷・成長・疲労コントロールがしやすくなる便利なツールです。
TSS・CTLなどに関する基礎情報はこちら
トレーニングは時間や距離でなくTSSで管理しよう!
一方で、「あと少して月間走行距離300kmだから走らなきゃ…!」という人をよく見かけるように、CTLに関しても誤った管理を見かけることがあります。
こんな管理はダメ
- TSSを稼ぐ(CTLをあげる)ための長時間練習
- 1回のポイント練習でTSS:100は達成しないといけないと言う迷信
- TSSが低い練習を避けがちになる
- レース時はTSBがプラスになってさえいれば疲れていない
という人も見かけることがあります。
そこで今回はCTLなどで管理するときの考え方についてです。
CTLは競技力というより『疲労のキャパシティ』
個人的にはCTLは競技力というより『疲労のキャパシティ』くらいに思っています。
CTLが高いほど1日のTSSが多くても回復できる(結果的に週間TSSも増える)、一方でキャパシティが大きい分、追い込んだ後のピーキングは時間がかかる気がします。(経験則ですが…)
だから、次のような認識です。
- 基礎期に高める
- 強化期には自然に維持する程度の練習
(強化期始めの量が少ない時は少し下がっても気にしない) - CTLが高いほどテーパリングを長めにとる
基礎期に高めておくことで強化期の質と量が決まる
基礎期の役割の1つでもあるのですが、基礎期の積み上げで強化期の質と量が決まってきます。
TK
ただし、CTLを上げることに必死になり過ぎて燃え尽きてしまったりするのは本末転倒。
また、CTLが高くなるほど、同じTSSの練習をしてもCTLは上がりにくくなります。
逆に言えば、徐々にボリュームを増やせばCTLは一定のペースで上昇するということ。
CTLの上昇ペースに合わせて、徐々にボリュームを増やしましょう。
実は故障をしやすい時期
最も故障をしやすいのは、実は追い込んでいる時期よりも練習量を増やしていく段階とも言われています。
また、CTLによるオーバーワークを判定する指標の1つとして、4週連続でCTLが7以上あがるというものがあります。
もちろんスタートの値が低ければCTLは上がりやすいので7くらい上がってしまう週もあるかもしれませんが、スタートの値が低いということはそれだけ体ができていない(人によってはオフで体力が落ち込んでいる)ということ。
慎重すぎるくらいで積み上げていきたい(慎重になれるくらいのレーススケジュールに余裕をもたせたい)ですね!
他人と比較するのではなく、過去の自分と比較しよう
CTL以外でも全般に言えることですが、同じ『CTL:100』の状態といっても、他人と自分では耐えれる練習の質・量はもちろん異なります。
「ライバルがCTL:120まで上げてるから自分もそこまであげる!」ではなく、次のように考えましょう。
- あくまで自分の中での比較
- 前回の基礎期でいくつまで上げたか?
- それよりも高い値を目指したいか、同等で十分か?
- 加齢や競技力の上昇などを考慮して修正
ヨメ
TK
無理に増やして調整するより、基礎期の期間が伸ばせるか、基礎期の体力に合わせて強化期のメニュー量を検討する、という対策を考えましょう!
強化期には自然に維持する程度
強化期にはCTLの上下は気にしすぎないようにしています(それよりも1回1回の練習の内容と頻度を重視)
私の場合、強化期に週3回のポイント練習をする(例えば月・水・金)なら、『必要な強度を、次のポイント練習までに回復できる最も多い量』でこなすことが目標になります。
だから土日の休みに入る金曜は他のポイント練習よりもハードになります。
(ここでいうポイント練習は体に負担の大きいバイクorラン。スイムはポイント練習がない日、もしくはバイクやランの前に実施しています)
その結果、CTLが多少下がる時期も発生しますが、CTL=競技力 ではないため気にしません。
TK
オリンピアンの為末大さんのツイートでも、
辛さだけを指標にしてきた選手はほぼのびとまる。量に限界がきたところで質をあげなければならない。しかし、質への移行時期には必ず体感的に辛さが減少する。辛さで成長してきた選手はこの質への転換時期に不安に耐えきれなくなり、辛い練習に戻っていき、大体同じレベルをぐるぐる回ることになる。
— Dai Tamesue (為末大) (@daijapan) November 4, 2019
とおっしゃっており、この『ボリュームを最大にしたところから質へと移行して辛さが減少したタイミング』ではCTLも下がる形になります。
でも質へと移行するタイミングでは、きちんと質を上げた練習をすることを第一に考えましょう。
もっとも、きちんとポイント練習を3回こなしつつ、つなぎの日にスイムや軽めのジョグを実施していれば、それほど大きく低下はしないと思われますが…(私の場合は維持〜5%下がるくらい)
CTLが高いほどテーパリングを長めにとる
重要なレースの前にはテーパリング(練習量を徐々に減らす)をして疲労を抜く人がほとんどかと思います。
このテーパリングに関しても、CTLを高くまで上げれた時は長く取るようにしています。
ここは私の経験則になるのですが…
CTLが高い時は確かに同じ負荷の練習なら早く回復できます。一方で限界ギリギリまで練習を積み重ねた時はキャパシティが大きい分、疲労が完全に抜けるまで時間がかかると感じています。
TK
もちろん、年齢や仕事、睡眠時間・栄養などでも疲労が抜ける期間は変わるので、一概に「CTLが○○なら10日、△△なら2週間」などと言った明確な指標を作ることはできません。
でもしっかり練習を積み上げれた時はテーパリングも長めに取る、と考えてトレーニング計画を立てた方が良いでしょう。
(例)私の1年間のCTL変動
参考までに、私の1年間の変動と、大会スケジュールについてです。
- 10月の2週目にIRONMAN KONA→終ったらオフで低下
- 3月のIRONMANニュージーランドに向けて2月前半にボリュームアップ
- ニュージーランドが終ったら3月は休養でCTL低下
- 4月から基礎期で積み上げ
- 6、7月は強化期、160あたりに収束
- 9月のIRONMAN台湾に出るので、8月は再度量を増やしてレースに特化した練習
このような流れで、一年の中でも『下降→上昇→維持』を繰り返しています。
まとめ
CTLという指標は、練習の「量と質」をどちらも考慮したTSSから算出されるため、従来の月間走行距離などより正確に体への負荷を反映できます。
その一方で、ゲームのステータスのように上下するため、ついつい値の上昇が目的になりがちです。(本来の目標は、目的のレースで速く走ることですよね?)
しかしCTLは競技力をそのまま反映するものではありません。
個人的にはCTLは競技力というより『疲労のキャパシティ』くらいに考えています。
CTLが高いほど1日のTSSが多くても回復できる(結果的に週間TSSも増える)、一方でキャパシティが大きい分、追い込んだ後のピーキングは時間がかかると感じています。
だから、年中高くするのではなく、次のような認識です。
- 基礎期に高める
- 強化期には自然に維持する程度の練習
(強化期始めの量が少ない時は少し下がっても気にしない) - CTLが高いほどテーパリングを長めにとる
便利な指標ですが、数値だけを追いすぎる事なく、「目的のレースで速く走る」という目標を達成するために有効活用しましょう!
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