こんにちは、パパサラリーマンのTK(TK@パパサラリーマン)です!
インターバルといえばハード区間とレスト(短いジョグやウォーク)を交互に繰り返し、ペース走などではかけれない高い負荷をかける練習…
当然ながら長時間走り続けれないペースでの練習なので、ゼェハァと息も切れてくるキツい練習ですし、何より心拍数が高い『キツい時間帯』を長くするのが大切。
その為にはある程度レストを短くしたりレストのペースを速めたりして、心拍数が落ちすぎないようにする、と言われてきました。
また、ペースに関してダニエルズ式では「インターバルに適したペースがあり、それより早く走ってもVO2maxに至る時間は変わらない。だから序盤に早く走っても『成果のある時間』は増えず、後半にペースダウンする原因となるだけ」と言われていましたね。
ところが最近の研究では、レストを1〜3分で変化させ、レストが長い時はハード区間のペースを上げると、レストが短ければ効果が高いというわけではないという結果が出ているとのことです…!
目次
インターバルのレストについて
きっかけは竹井尚也さんのツイッター。
6×4分インターバル走中のレスト時間を変化させることで“生理学的および力学的ストレス”(=トレーニング刺激)を最大化できるか?
レストを短くすることで、息が上がり主観的にきつく感じますが、直観に反して心肺にかかる負荷はレストを長くとっても同じという報告です。https://t.co/QZj2JqjHXX pic.twitter.com/9vQBEWCAF3
— 竹井 尚也 Naoya Takei (@NaoyaTakei0421) November 28, 2019
ざっくり紹介すると、
- 高強度インターバルは最も効率的に心肺および代謝機能を成長させるトレーニング
- VO2maxの90%以上、HRmax以上の強度での運動時間の長さが鍵と考えられていた
- レストを縮めれば「生理学ストレス」が最大化、レストを長くして強度を上げれば「力学的ストレス」が高まる?
VO2maxが46〜60のランナー、21名が対象。
- 測定は中2日の休養を挟む
- 1回目はVO2max測定、2〜5回目はインターバル
- 6本×4分を、全体のアベレージが最速となるように走る
- レストは1分、2分、3分、自由(時計を見ずにスタート)
レストの順番はランダム(人によって初回で1分をやったり3分をやったり?) - 生理学ストレスは『VO2maxの90%以上、もしくはHRmaxの90%以上での運動時間』
- 力学的ストレスは『ハード速度』
- 疾走速度は3分レストが有意に速かった
- 主観的運動強度は1分レストの4〜6本目で他より有意に高かった
- VO2maxの90〜95%、もしくはHRmaxの90〜95%での運動時間に差はなかった
- レストの自由選択は6本平均で100±34秒と、3分ならもっと速く走れても、そこまで休もうとしない
ちなみに被験者の『VO2maxが46〜60のランナー』とは、計算上ではフルマラソンを3時間30分〜2時間45分あたりのランナーとなるようです。普段から結構走り込んでおり、インターバルの経験者も多そうなレベルのランナーたちですね。
レストは短ければ良いわけではない
従来の常識としては、なるべく心拍数を下げずにハード区間を繰り返すことで、心肺への負荷が高まりトレーニング効果も高まるというもの。
レストで完全には回復しないことから、2本目、3本目と繰り返すたびにスタート時の心拍数も上がり、VO2maxの90%以上に達する時間が短くなる=より長い時間VO2maxの90%以上で運動できるとされてきました。
TK
ところが実験結果では①VO2maxの90%以上 ②HRmaxの90%以上 のどちらにおいても、レスト時間1分・2分・3分で差がなかったとのこと。
序盤にも書いたダニエルズ式における「インターバルに適したペースがあり、それより早く走ってもVO2maxに至る時間は変わらない。だから序盤に早く走っても『成果のある時間』は増えず、後半にペースダウンする原因となるだけ」という話の通り、ペースを上げてもVO2maxの90%以上に至る時間が早くなるわけではなさそうです。
しかしペースによる差はなくても、2本目以降はレストが短いことによってより早くVO2maxに至ると考えられていましたが…
この実験結果を見ると、必ずしもそうとは言えないようですね…数値的には大差は無いようです。
(ちなみにVO2maxを測定してペースを決めているので、「1分レストでは回しきれずに後半ヘタれた(HRmaxの90%未満に落ちた)」と言うことは発生していないと言う前提で話しています…6本のアベレージで最速になるように走っているとのことですし)
レストといっても実は筋肉はあまり回復していない?
コーチングクリニックの中でも「ウェイトトレーニングにおいてはセット間のレストで中枢神経は回復しても筋肉はほぼ回復していない。セットを繰り返すことで、中枢神経の疲労に肉体の疲労が追いつくところまで追い込める」という記載がありました。
同様に、インターバルでもレストの間では筋肉はほぼ回復しない(高強度運動で発生した酸素負債はすぐには回復しない)という可能性も考えられますね…短いレストでは中枢神経の疲労も回復しきれず後半に主観強度が上がったとも考えられそうです。(この辺は専門外なので正確には分かりませんが…)
ちなみに3分レストにしたから楽ということはない
レストを伸ばしても、設定ペースが『6本のアベレージで最速になるように全力で走る』なので、決して楽にはなりません。笑
普通の人が1kmのインターバルを200mジョグでつなぐ時、レベルにもよりますが60秒〜90秒程度になることが多いかと思います。
やってみると分かりますが、3分あればかなり呼吸が落ち着き、心拍数も下がり、次の1本に向けて気持ちの準備を整える時間ができます。
TK
個人的にはいつものペース・つなぎで1200mを6本の方が優しい気がしてしまいます…
(実験では主観的強度は1分の4〜6本目がキツいとのことでしたが…)
TK
なので、「この実験でいいって言ってた練習・サプリ!」と飛びつかず、取り入れたら自身の身体に変化があったか、きちんと振り返るようにして いきましょう!
第2段として、競技レベルによっても異なるという研究も
競技レベルが変われば同じ「2分のレスト」でも回復度合いが変わってきます。
それによる差を研究したものも。
6×4分インターバル走中のレスト時間の大小が生理学的・力学的ストレスに与える影響は、競技レベルによって異なるか?
前回の研究ではリクリエーショナルなランナーが対象でしたが、競技レベルにより少し結果が違うようです。しかし、一貫して過度に短いレストによる恩恵は考えにくいようです。 https://t.co/C6hwEZ5T5l pic.twitter.com/7qWfTIwiMJ
— 竹井 尚也 Naoya Takei (@NaoyaTakei0421) November 29, 2019
こちらは竹井さんのツイッターをご覧ください。
研究結果は鵜呑みにはしない
ここまで紹介しておいてアレですが…研究も全てそのまま受け入れるべきではないと考えています。
研究とは一般に再現性のある法則を見出したいものですが、
- 被験者に偏りがある
- 被験者の競技レベル等が自分とは大きく異なる
- 測定すた数値の中で、結論づけやすい数値のみを公表していることもある
など、実際は偏ったデータということもあります。(もちろん公平に取られた、有意義なデータもたくさんあります)
また、研究では90%の人に当てはまる再現性のある科学データが欲しいのに対して、選手はたとえそれが10%の人にしか効果がない練習方法であっても、自分に効果があれば『有効な練習』になります。
だから科学が「90%の人に効果がない方法」といってもそれが絶対にハズレとは言えないわけですね。
実際にレストを伸ばしてやってみた
TK
昨日は風邪により朝ジョグは8km程度、夜は練習休んで先月の振り返り。
今朝も声出ないけど体調はいいからラン16.2km🏃♂️
I:1km×6
ペガサス ターボ2少し前に聞いた話により、レストを1分半から2分半に伸ばしてみた。
ついでに本数は5本から6本に増加。結果→楽しい(ぇ
詳細は↓↓
— 神谷🦍IRONMANを9時間27分のパパサラリーマン (@TK_tri_KONA) December 4, 2019
・設定タイムは8秒短縮
・あと2〜3秒攻めれそう(合計5%程度の短縮)
・1〜3本目は普段の1本目みたいな感覚で速度維持できて楽しい(普段は2本目からしんどさが出始める)
・4本目からはキツいけど普段よりはマシ
レスト短いのとどっちが成績伸びるかはしばらく続けないと不明だけど…好みが分かれそう😅— 神谷🦍IRONMANを9時間27分のパパサラリーマン (@TK_tri_KONA) December 4, 2019
月曜に朝晩バイク(強度高め)に乗って、火曜は風邪でダウン、病み上がりでの朝からインターバルです。笑
あまりいいコンディションとは言えないのですが、レストを1分半程度でやっていたところ2分半に延長。
3分までは伸ばしていませんが、それでも回復度合いが全然違います。
本数も増やしていますが、私の場合は5%程度のタイム短縮が見込めそうです。
この5%で力学的刺激が増えるのかは曖昧な部分ではありますが、ダニエルズ式でインターバルとレペティションくらいの差があります。
レペティションはハァハァするのが目的ではありませんが、5kmのレースペースであるインターバルペースより5%速いペースで練習を積んでいると、5kmのTTを実施した時の体感速度に余裕が出そうな気はします。
何より重要なのは楽しい時間が長く感じたこと。
インターバルってキツいイメージが強くて始める前に心の準備がいるのですが、最初の3本くらいが割とフレッシュな感覚で走れるので、ペースが崩れることもなく自分にはこっちがあってるかな?という気もしました。
注意点
1点注意をしておくと、今回の研究では『①VO2maxの90%以上 ②HRmaxの90%以上 のどちらにおいても、レスト時間1分・2分・3分で差がなかった』といっていました。
つまり、酸素摂取量や心拍数という指標で見た時に同程度の負荷がかかっていそうということで、
- どの方法がVO2max向上効果が大きかった
- 力学的負荷が増えたことでスピードの向上につながった
といった、成果部分には触れられていません。
つまり、実験で使用した指標における負荷が同じでも、実は従来のレストが短くいインターバルの方がVO2max向上に繋がるという可能性も否定できませんし、もちろんレストを伸ばした方が成績が上がるかもしれません。
結果が分かるのは4〜6週間続けた後ですが…私個人の実験では、短いレストでも長いレストでもある程度の向上は望めるので比較は難しいですね…(^_^;)
まぁ市民アスリートとしては、やってて楽しい・ストレス発散になる・効果がありそうという直感などを考慮して取り入れていっても良いと思います。
最近はそれくらいのスタンスの方が、長期的に継続して成長できるかなと感じています。
ツイッターは情報収集の場所
一昔前は『SNSは時間の浪費につながる』という意見も多かったのですが、上手く使えば情報収拾として非常に便利なツールです。
(もちろん使い方を間違えれば時間の浪費になります。笑)
トライアスリートもツイッターを始めよう
どうもトライアスリートはフェイスブックの閉鎖コミュニティを好む傾向が強い気がします。
一方、ランナーやロードバイク、水泳などの競技者は結構ツイッターもやっているように感じます。
やはりトライアスリートの情報だけよりもそれぞれの専門家の方が情報の量も多いですし、トライアスロン界で速いつもりになっても単独種目の選手には全然敵わないので天狗にならずに済みますw
パーソナルトレーナーはお金を払っているクライアントがいるためか、一方的に発信はしても質問には答えませんというスタンスの人が多い気がしますが…
上記の竹井さんはじめ研究者の方や各種目の専門家と双方向のコミュニケーションが取れるので自分の勘違いを正してもらえたりさらに知識を深めたりと、非常に便利なツールです。
TK
まとめ
インターバルのレスト時間による違いと、スポーツ研究との付き合い方についてでした。
- レストは長くても短くても①VO2maxの90%以上 ②HRmaxの90%以上 の時間に大差がない
- レストを長くして設定ペースを上げることで、力学的負荷を増やせるかも?
- 研究は鵜呑みにせず、良さそうなものは自分で試してみよう
- ツイッターは情報収拾の場所!効果的に活用しよう!
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